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ワシントン条約で禁止されてる動物のやり取り・種類・理由

ワシントン条約で禁止されてる動物のやり取り・種類・理由

渚 ナギサ  

ワシントン条約によって禁止されている動物のやりとりがあります。有名な動物がいろいろいますが、間違ってもペットで飼おうと思っていけません。もしもペットとして売り出されているのを見つけたときなどはどう対応すればいいのでしょうか? ...

ワシントン条約とは?

ワシントン条約とは、絶滅の恐れがある種の野生生物を保護するための国際取引に関する条約です。
日本では「種の保存法」という法律で私達の生活に関してもいくつか規制されています。
動物の輸入輸出だけではなく、売買・譲渡に関する内容も規制されています。
登録されている動物などの飼育が許可されているパターンとしては、動物園や水族館の動物です。
有名な物はゴリラやゾウ、サイ、ラッコなどです。ほかにもさまざまな動物が輸入することが出来ない状態になっていて、国内での繁殖に対する取り組みが進められています。

研究などの目的の場合は、ワシントン条約によって許可書を経済産業省などの対応しているところに提出が必要です。
DNAなどのごくわずかな物でも提出が必要なので、どれだけ重要視されているのかがこのような所からも分かりますね。

ワシントン条約についての詳細をご覧になりたい方は、
経済産業省のワシントン条約について
をご覧ください

ちょっと意外。ワシントン条約の違反の理由の割合

ワシントン条約を知らずに海外から持ち帰ってしまった、などの理由で違反してしまうケースも少なくありません。
経済産業省が掲示している2008年から2010年のデータで、法令知識の欠如が原因で違反してしまうケースは40%にも及びます。
誤解や変更の見落としも含めると61%と、全体の半数以上をしているという事が分かります。

逆にニュースになるような重大な過失や、故意によるものは全体の12%というデータが開示されています。
一般の人がこれに抵触するのは海外旅行で荷物を送った時など、船による輸出入の際に確認がちゃんとされていなかったというケースがあるようです。

また、動物や登録されていない物品の購入などの際に知らずに買ったりもらうことで、1年以下の懲役や100万円以下の罰金をかせられることもあるとされているので、怪しい業者などから生きている動物や動物製品(毛皮や剥製など)を購入しないようにしましょう。

ワシントン条約の対象となる動物

ワシントン条約で実際に規制されている動物の取引ですが、その対象に指定されているものは以下のとおりです。

附属書Ⅰ 附属書Ⅱ 附属書Ⅲ
記載基準 絶滅のおそれのある種で取引による影響を受けている又は受けるおそれのあるもの 現在は必ずしも絶滅のおそれはないが、取引を規制しなければ絶滅のおそれのあるもの 締約国が自国内の保護のため、他の締約国・地域の協力を必要とするもの
規制内容
  • 学術研究を目的とした取引は可能
  • 輸出国・輸入国双方の許可書が必要
  • 商業目的の取引は可能
  • 輸出国政府の発行する輸出許可書等が必要
  • 商業目的の取引は可能
  • 輸出国政府の発行する輸出許可書又は原産地証明書等が必要
対象種(例) オランウータン、スローロリス、ゴリラ、アジアアロワナ、ジャイアントパンダ、木香、ガビアルモドキ、ウミガメ など クマ、タカ、オウム、ライオン、ピラルク、サンゴ、サボテン、ラン、トウダイグサ など セイウチ(カナダ)、ワニガメ(米国)、タイリクイタチ(インド)、サンゴ(中国) など

2016年8月現在の情報 / 経済産業省ホームページより引用

ここに書かれている動植物に関しては、生きているだけではなく剥製や毛皮のコートなどの部位を用いた加工品も対象になります。
有名なものとしては、象牙などの加工品が問題になっていました。
現在は多く違法業者が取り締まられて、許可を得た業者以外が取り扱いをしていないと考えられます。
ですが、念のためワシントン条約に関する物品を購入、売却、譲渡などをする際には注意をしましょう。

ワシントン条約に関する光と影

ワシントン条約は1973年にアメリカ合衆国のワシントンで絶滅の危険がある野生動物を保護する目的で取り決められた条約です。
2008年の時点で172カ国が参加するほど、世界的に種の保存に対する意識ができていることがわかります。
実際に過去に絶滅してしまった動物と同じ過ちを侵さないために取り決められた条約を守るのは大切なことです。ワシントン条約が掲げられてから守られた命も少なくありません。

ですが、ワシントン条約によって密輸などで利益を得る不法者もいます。
特に法律順守の意識が薄い国では、高く売れるからという理由で乱獲したり、それを密輸するための業者も多くあり、問題となっています。
このような業者を撲滅するのには、取り締まりもそうですが買い手をなくすのが最善の策と言われています。
取り締まりをしても、別の業者が生まれてくることがその理由です。

人と動物が共存していくうえでワシントン条約は大切なものです。
一人ひとりが意識を持って間違った選択をしないようにしていきたいですね。

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