ハムスターはそもそも懐かない生き物?
ハムスターはもともと懐かない生き物だ、と言われることがあります。
確かに、犬や猫と比べれば懐きにくい生き物かもしれません。
体の大きさが全く違う分、ハムスターにとって人間は恐怖の対象になりやすいのです。
しかし、ハムスターが全く人間に懐かない訳ではありません。
飼い主さんの手の平の上でお腹を見せて寝るような子もいますし、飼い主さんを見つけるやいなや駆け寄ってくる子もいます。
筆者の実家で飼われていたハムスターなどは、飼い主の手の上で寝るのが大好きでした。
「ハムスターが懐く」とはどういう状態か?
「ハムスターが懐く」とは、どういう状態を指すのでしょうか。
ここでは「ハムスターが飼い主さんに恐怖を感じておらず、信頼して身を預けてくれる状態」と定義します。
ハムスターが飼い主さんに恐怖を感じていないから、噛んだりせず落ち着いていられるのです。
懐きやすいハムスターとは?
比較的懐きやすいハムスターはゴールデンハムスターです。
次点でジャンガリアンハムスターが懐きやすいといえるでしょう。
ロボロフスキーハムスター、チャイニーズハムスター、キャンベルハムスターは比較的懐きにくいです。
ハムスターが懐いてくれていっぱい遊べる関係を望むなら、ゴールデンかジャンガリアンがおすすめです。
また、メスよりもオスの方がおっとりしていて懐きやすい傾向にあります。
といっても、飼っていれば自然と懐く、というわけではありません。
ゴールデンやジャンガリアンは懐きやすいというよりも慣れやすいのです。
懐くかどうかはそのあとの飼い主さんの接し方次第です。
ハムスターが懐かないときのチェックポイント
ハムスターが懐かないときは、何かしら原因があります。
ハムスターが懐かない場合、次のチェック項目にあてはまるものがないかどうか確認してみてください。
ハムスターが家に慣れているか
そもそも、ハムスターが新しいお家に慣れているかどうかチェックしてみてください。
巣箱の外であっても、リラックスした格好で眠ったり遊んだり出来ていますか?
巣箱からなかなか出てこない、飼い主さんが来るとシュッと巣箱に逃げてしまう、といった場合、新しいお家にもまだ慣れていないのかもしれません。
そういった状態で、飼い主さんに懐いてもらおうとしても難しいでしょう。
ハムスターを飼い始めてから少なくとも一週間はまずはそっとしておきましょう。
最低限のお世話だけをして、見るときも遠くからそっと見守ります。
まずはお家にハムスターを慣らしてあげましょう。
ハムスターとのふれあいを急ぎ過ぎていないか
ハムスターとふれあうのを急ぎ過ぎていませんか?
先ほどお伝えした通り、まず最初の一週間は決して触らずに見守るだけにします。
一週間を過ぎていても、ハムスターが怖がっているようなら無理に触ろうとしてはいけません。
触るときも、いきなり抱き上げるような触り方はNGです。
最初は手をケージの中に入れて、ハムスターが自ら手に寄ってくるのを待ちましょう。
手に寄って来るようになったら手渡しでおやつをあげ、おやつを受け取るようになったら手の上に乗ってくるのを待ち、手の上に乗ってくるようになったらそっと抱き上げ、という風に段階を踏んでふれあいましょう。
いきなり抱き上げたり、掴んだりするのはNGです。
ハムスターを怖がらせていないか
ハムスターを触ろうとするとき、ハムスターがびくっと飛びのいたり、手に噛みついたり、ジッと鳴くようなことはありませんか?
そういう場合は、ハムスターは怖がっていることがほとんどです。
手の動きはあくまでゆっくりにして、驚かせないようにしてあげましょう。
また、ハムスターに見えないところから手を入れるのもNGです。
ハムスターに見えるところから、手をゆっくりゆっくり静かにケージの中に入れましょう。
大きな音を出していないか
ハムスターの聴覚はとても敏感です。
知らず知らずのうちに、ハムスターにとって大きな音を出してしまっていないか確認しましょう。
また、声かけをしてあげるときの声のボリュームにも気を付けましょう。
ハムスターを触る時に声を掛けてあげることは重要ですが、あくまで優しく囁くようにを心掛けましょう。
ハムスターを懐かせるには?
ハムスターを懐かせるためには、触るときにしっかりと段階を踏む必要があります。
ひとつずつクリアしていきましょう。
1.まずは見守る
まずはケージの外からハムスターを見守ります。
飼い主さんが見ていてもサッと巣箱に逃げ込んだりしない、という状態まで持っていきます。
もちろん、どんなにのんびりしていてもお迎えして一週間の間はハムスターに触らずただ見守ります。
お迎えしたばかりのハムスターは、環境がガラリと変わったストレスでピリピリしています。
いきなり触るのはハムスターにとって多大なストレスになり、かわいそうです。
この期間は、何もせずにじっと見守りましょう。
2.ケージに手を入れる
一週間経ち、ケージの中の環境に慣れてきたら、ハムスターが起きている間にケージの中に手を入れてみましょう。
ハムスターの近くに手をゆっくりと静かに置いてみます。
このときに、手から逃げるようであればまだ見守っておきましょう。
手を近づけたりせずに、ハムスターが自ら近づいてくるのを待ちます。
ハムスターが自ら近づいてきたら、手を調べ始めるでしょう。
このときに、噛まれても出来る限りじっとしていましょう。
急に手をひっこめたりすると、ハムスターがびっくりしてしまいます。
あまり強く噛むようなら、まだ手に恐怖を感じているので、ケージに手を入れるのは控えめにしましょう。
3.手からおやつを与える
ハムスターが手に近付いてくるようになったら、手からおやつを与えてみます。
ひまわりの種なら一粒、ドライフルーツなどなら一粒だけにしましょう。
手から受け取らない場合は、まだ手を怖がっているので餌入れの中におやつを入れてあとはそっとしておきます。
手からおやつを与えることを繰り返すことで、「手=おやつを運んできてくれるもの」と覚えるのを辛抱強く待ちましょう。
ハムスターのおやつについては以下の記事を参考にしてください。
また、主食のペレットや、それ以外の副食(野菜や動物性たんぱく質)を手から与えるのも良いでしょう。
ハムスターの餌については、以下の記事をご覧ください。
4.手の平の上に乗ってくるのを待つ
手からおやつを受け取ってくれるようになったら、今度は手の上に乗ってくるのを待ちます。
あくまで、ハムスターが自ら乗ってくるのを待つのです。
決して、上から掴むようなことはしてはいけません。
上から掴まれることはハムスターにとって猛禽類に捉えられることを想起させます。
本能的な恐怖を感じるので、決してやめてください。
手に乗ってきたら、手の平の上でおやつをあげてみましょう。
最初は、短時間でケージの中に放してあげます。
徐々に、手の上に乗っている時間を長くしてみましょう。
5.優しく抱きかかえる
手の平の上に乗れるようになったら、そっとハムスターを持ち上げてケージの外に出します。
ケージの外にハムスターが乗った手を出したら、ゆっくりと座ります。
ハムスターが高い所から落下するのを防ぐためです。
特に若いハムスターは高さがわからないので、高い所からも平気で飛び降りてしまいます。
このとき、噛みついたりして嫌がっている場合はすぐに戻してあげてください。
また、うんちやおしっこをする場合もすぐに戻してあげましょう。
うんちをするのは緊張している証拠ですし、おしっこは極度の緊張を意味します。
その場合は、ふれあいの段階を「4.手の平の上に乗ってくるのを待つ」に落とします。
うんちやおしっこをすることもなく、噛むこともなくなったら、少しずつ抱っこの時間を長くしていきます。
ハムスターと接するときの注意点
まだ懐いていないハムスターと接するには、注意点があります。
重要なものなので、是非目を通してからハムスターとふれあってください。
急がない
ハムスターを懐かせる最大のコツは「待つこと」です。
懐かないハムスターに対して、すぐに仲良くなろうと焦っても意味がありません。
決して急がず、ゆっくりとハムスターが飼い主さんに慣れるのを待ってあげてください。
先ほどお伝えした段階を徐々にこなし、ハムスターが噛んだりと怖がっていたらすぐに一段階前に戻します。
ハムスターと信頼関係を築くには時間が必要です。二週間ほどで懐く子もいれば、半年経っても懐かない子もいます。
その子の様子に合わせて、ゆっくりと信頼関係を築いていってください。
安全に配慮する
ハムスターとふれあうときは、ハムスターの安全に注意しましょう。
ハムスターが飛び降りたりしないこと、高い所から落下しないこと、これが一番です。
そのために、ケージは低いところに設置しておく方がいいでしょう。
決して叱らない
ハムスターが噛んだとき、決して叱ってはいけません。
叱られてもハムスターは何がいけないのかわかりません。
というよりも、そもそも悪いことなどしていないのです。怖いから噛んでいるのですから。
叱っても大きな声にただ怯えるだけですし、叩くなどもってのほかです。
噛まれたら、いたずらされているのではなく「怖がっている」と思ってください。
ハムスターが懐かない!懐かない原因と懐かせる方法まとめ
ハムスターが懐かない原因はいくつかありますが、一番は「ハムスターが怖がっている」からです。
ハムスターが怖がらなくなるまでゆっくりと時間をかけて仲良くなっていきましょう。
また、ハムスターの安全にも第一に配慮してあげてください。