愛犬のクセを把握しておく
日常的に健康チェックを行うのはもちろんですが、毎日遊んで愛犬のクセを把握しておきましょう。
寝るときはどんな体勢、ご飯を食べるときはこんな顔をする、走り方、歩き方、そのペースなど。
日頃からその子にどんなクセがあるのかを観察しておくと、異変があったときにすぐに気付けます。
もちろん、一層愛情も深まるでしょう。
おすすめは、愛犬の一言日記をつけることです。なにか異変があった場合、いつから・どのような症状なのか分かりやすくなります。
診断の時に大いに役立つほか、異変に早く気付けるでしょう。
おまけに、後々の宝物になるでしょうし、かわいい愛犬のようすを文字に残すことは楽しいものです。
犬の各部位のチェック
犬の健康チェックで、毎日見てあげるべきポイントは以下の通りです。
- 外見・動き
- 被毛
- 体全体
- 目
- 口
- 鼻
- 耳
- 食欲・飲水量
- 肛門・便・尿
- 体型
これを見て、こんなに多いの?正直、面倒……と思われた方も多いでしょう。
しかし、細かい異変に気付くためには、毎日の細かい観察こそが重要になります。
では、具体的に犬の体のどの部分がどうなっていたら異常のサインなのかをまとめていきます。
遊んでいる間に、毎日チェックしてあげてください。
外見・動き
- せき・くしゃみがないか
- 呼吸が正常か
- お腹が極端に膨れていないか
- 脚を引きずったり、片足をあげて歩いていないか
歩き方がおかしい場合、怪我や脱臼の可能性があります。
爪の伸び過ぎが原因になることもあるので、爪切りはこまめに行ってください。
被毛
- つやはあるか
- パサパサしていないか
- 脱毛していないか
春先の換毛期に、毛がたくさん抜けるのは問題ありません。
ただそうでもないのに、部分的にごっそり毛が抜けて円形脱毛症のようになるなら、異常です。
体全体
- 湿疹やかぶれがないか
- 頻繁に体を舐めたり掻いたりしていないか
- うずくまり、辛そうにすることはないか
目
- 涙目になっていないか
- 目ヤニは出ていないか
- 充血していないか
- 黄色くなっていないか
- 目が腫れていないか
涙目・目ヤニ・充血の場合は、まずゴミが入っていないか・逆さまつげになっていないかをチェックしてあげてください。
目に異物が入らないように、あまりに深い茂みややぶの中に入れるのは避けた方がいいかもしれません。
角膜炎や結膜炎の可能性もあります。
黄色くなる・目が腫れている場合は、すぐに動物病院に連れて行きましょう。
口
- よだれの量は多すぎないか
- あぶくや血がよだれに混じっていないか
- 歯茎や口の中に傷・腫れはないか
- 口臭はないか
- 歯茎の色は赤みがかったピンク色を保てているか
口の中の健康状態は、歯磨きと合わせて行ってください。
鼻
- 湿ってつやつやしているか(睡眠時・寝起きは乾いていることがある)
- くしゃみ・鼻水は出ていないか
- 鼻血は出ていないか
- ひび割れはないか
- 腫れはないか
鼻が乾いている場合、熱があることがあります。
ただし、睡眠時や寝起きは乾いていることがあります。
耳
- 頻繁に耳を掻いていないか
- 強い悪臭はないか
- 耳だれはないか
- 耳垢は黒くないか
耳をしきりに痒がる場合、外耳炎の可能性があります。
耳の病気は慢性化すると治療が困難になります。
垂れ耳の犬は特に注意してください。
食欲・飲水量
- 食欲は落ちていないか
- 急に過食になっていないか
- 水を大量に飲んでいないか
おやつをもらって、ご飯をあまり食べないのは異常ではありません。
また、老犬になってくると食欲も少しずつ落ちてきます。
ただし、好物にそっぽを向く・急に大量に食べるようになるなどは病気のサインです。
水を大量に飲む場合、糖尿病・腎臓疾患・子宮疾患などの可能性があります。
肛門・便・尿
- 肛門は腫れたり汚れたりしていないか
- お尻を床に擦りつけていないか
- 便の中に白い虫が入っていないか
- 尿の回数が増えていないか
- 尿を出しにくそうにしていないか
子犬のうちは、特に排泄物の様子をチェックしてあげてください。
お尻や排泄にトラブルがあるのは、犬の命に関わることも多くあります。
変わったことがあれば、早めに病院に連れて行くのがいいでしょう。
体型
急に痩せていないかもチェックしてあげましょう。
引っ越しなどで環境が変わると、ストレスで痩せることがあります。
その場合は、病気の心配はありません。違う環境に慣れられるように、優しく接してあげてください。
食べ物や生活が変っていないのに痩せてきたときは、病気の可能性があります。
もちろん、急に太っていないかもチェックしてあげましょう。
食生活・運動量には気を付けてあげてください。
病気ではなくても、肥満は万病のもとになります。
心当たりがないのに太ってきた場合は、内分泌異常の疑いがあります。
愛犬の異変を見つけたら
毎日の健康チェックをしていて、これはおかしいと思ったら、すぐに動物病院に連れて行きましょう。
先述の通り、小さなサインが深刻な病気を示しているかもしれません。
その時のために、普段からかかりつけの動物病院を確保しておきましょう。
こんなにたくさん健康チェック項目がある?
これまでの記述を見て、こんなに多いの?と感じた人もいるかもしれません。
しかし、その通り、犬の健康チェックをするにあたって気を付けなくてはならないことはたくさんあるのです。
とてもわかりづらい小さな異変が、命に関わる病気の症状であることもあります。
その細かい異変に早く気付くためには、毎日の細かい観察こそが重要だからです。
遊びながら無意識にチェックして、すぐに異変に気付けるように、飼い主さん自身も訓練してみてください。
もし何か病気をしてしまったとき、早く気付けば気付くほど、わんちゃん自身が辛い思いをせずに済みます。
それに、早期発見できれば治療費も少額で済むでしょう。